第二十七回 いろはにほへと

いろは歌といえば、昔の五十音「あいうえお」とか、順番を表す番号の代わりに使われたりとか、そういう認識の方が多いのではないでしょうか。

香取市佐原ではこの”イロハ”、住所に使われています。
画像には、佐原イ、佐原ロ、佐原ニ、佐原ホしかありませんが、実際には佐原ハもあります。

これ、千葉県北東部には意外とある住所なんです。
八街や匝瑳、山武などにも残っています。
いや、むしろ、イロハより難読地名のが気になる!っという方もいるかも…
前から”やちまた”、”そうさ”、”さんむ”(郡の場合はさんぶ!)と読みます。

このイロハ住所、結構間違われてしまうことがあります。
イ?!どんな字ですか?
ロ?!漢字の口ではありません。
ハ?!漢数字の八ではありません。

ニ?!漢数字の二ではありません。
ホ?!ほ???

そんなわけかはわかりませんが、住民のみなさんは、さらに細かい地名を使います。
お祭りの町内名や、利根川を渡ったあたりは”川向こう”なんて言ったり。
そうなると、ローカルすぎて道を聞いてもちんぷんかんぷんですよね。

地名はどこも、古来より伝わるおもしろいものです。
そこの土地を表す良い材料ですね。
合併が進んでしまい、変わってしまった地名も多くありますが、住民にとっては、まだまだ古来からの呼び方が残っています。
そして、千葉には難読地名がたくさんあるので、ぜひ調べてみてください。
ちなみに、佐原は、”さはら”ではなく、”さわら”です!
アクセントも平板ですよー

えになるかとり かとりっぷ
第二十七回 いろはにほへと
文・写真 きのしたまみ
提供元 (株) NIPPONIA SAWARA