第三回 初代松本幸四郎と高麗屋

歌舞伎役者の十代目松本幸四郎といえば、ドラマにCMに引っ張りだこの俳優です。

その幸四郎、成田屋の屋号の市川家が隣町の成田山に所縁があるように、香取市にとても縁があります。

それは、香取市小見川の善光寺に「初代松本幸四郎の墓」があるのです。

初代松本幸四郎は小見川に生まれ、10歳の時に佐原の小間物屋「高麗屋」に奉公しました。

元禄の初め江戸に出て、久松多四郎の門に入り、最初は松本小四郎と名乗りました。

のちに、幸四郎と改名し、ニ代目市川團十郎と並び当代の名優と称せられたのです。

初代の屋号は大和屋ですが、二代目以降、初代の奉公先であった佐原の高麗屋からとったという説があります。

そんな縁があってか、2019年の親子三代同時襲名披露興行は、佐原でも盛大に行われました。

今日は、初代の月命日。善光寺境内には枝垂れ桜があり、春には見事に咲くそうですよ。そうそう、ほかにも腹切様の碑なんていうのもあって、恋の願いが叶うとか。

えになるかとり かとりっぷ
第三回 初代松本幸四郎と高麗屋
文・写真 きのしたまみ
提供元 (株) NIPPONIA SAWARA