第五回 大なまずと要石

本日早朝、香取市では強い揺れを感じました。

今のところ被害の様子は伝えられていないので一安心ですが、今後も警戒しなくてはいけません。

このところ、地震が多く感じられますが、それは今も昔も変わらないようで、香取の地域では言い伝えが残っています。

地震が頻発するのは、大なまずが地中に住みつき、荒れ騒いでいるせいだと言われていました。

それを鎮めるため、香取神宮の経津主大神が大なまずの尾に、鹿島神宮の武甕槌大神が頭に石棒をさし込み、大なまずを地中深くに押さえ地震を鎮めたと伝わっています。

その石棒の先端とされる石、要石が、今も香取神宮と鹿島神宮にあります。

香取神宮の要石は凸形、鹿島神宮の要石は凹形で、地上に少しだけ露出していて、深さ幾十尺とされています。

要石は地中でつながっているとも言われ、徳川光圀公が、これを掘らせましたが根元を見ることが出来なかったと伝わります。

要石は、参道から脇に入ったところに祀られているので、ちょっと見つけにくいかもしれません。

でもせっかくですから、ぜひお参りしてみてください。

太古よりこの地をお守りくださる石は見えている部分はあまりに小さく、驚かれるかもしれません。

えになるかとり かとりっぷ
第五回 大なまずと要石
文・写真 きのしたまみ
提供元 (株) NIPPONIA SAWARA