第六回 川にそびえ立つ鳥居

香取市民であっても、この鳥居のことを知らない人もいるでしょう。

浜鳥居として知られる、”鳥居河岸(津宮浜鳥居)”の存在を。なんせ、私も初めて近くに行って見てきました。

香取神宮から2.5キロほど離れた場所にあり、御祭神である経津主大神が海(昔は鳥居より先は香取海と呼ばれた)より上陸された場所であると伝えられているここは、かつて参道の始まりでした。

今でも12年に一度の式年神幸祭には、ここから御神輿をのせた御座船が出発するのです。

国道356号からもチラッと見える、この鳥居。

いきなり現れるし、どうやったら近くに行けるのかわかりにくいし、なかなか見に行く機会がありませんでした。

調べると、ここに経津主大神が降り立ったとあり、時代をこえて、何か荘厳な雰囲気を感じました。

明治以前、神宮の御称号がゆるされていたのは、伊勢・香取・鹿島のみだったほどの御神徳のため、香取神宮に参拝に訪れる方はとても多いです。

でも、ここまで足を運ぶ方は少ないのでは。御祭神にならって、旧参道を通って神宮まで行ってみるのも良いですよね。

道中赤い橋があったり、式年神幸祭の御駐輦所があったりと、昔の参道の面影が、点々と残されています。

歩いて行くも良し、車で行くも良し。今の季節、青々とした稲も楽しみながら巡れます。

えになるかとり かとりっぷ
第六回 川にそびえ立つ鳥居
文・写真 きのしたまみ
提供元 (株) NIPPONIA SAWARA