第七回 祭りとともに生きる町

例年であるなら、明日から三日間は佐原の大祭 夏祭りが開催される予定でした。

しかしながら今年は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため山車の曳き廻しは中止となっています。

神事は感染防止に留意して遂行されますが、佐原の町が絢爛豪華な山車で埋め尽くされることはありません。

本来、七月にでもなれば佐原っ子の気もそぞろのはず。

でも今年は、町が静かに感じます。

小野川沿いの柳も剪定されておらず、シャトル船の乗り場も設置されていません。

祭りとともに生きている人々は、何かリズムを取り戻せないような、季節を感じ取れないような感覚にあります。

それだけ祭りは生活の一部となり、祭りが終わると来年までのカウントダウンが始まるほど、人々の話題の中心にあります。町を見渡せば、祭り仕様の設備がいろいろあります。

信号も、山車の曳き廻し用に縦型になっていたり、普通よりも高い位置に設置されていたり。

山車を入れる倉が、町中に点在していたり。

祭りはなくとも、町を見ればともに生きる様子を感じることはできます。むしろ、特別なこの年に訪れる佐原。

いつもとちがう、を楽しんでみてはどうでしょうか。佐原っ子の誇り、いつかまた盛大にできる日がくることを祈るばかりです。

えになるかとり かとりっぷ
第七回 祭りとともに生きる町
文・写真 きのしたまみ
提供元 (株) NIPPONIA SAWARA