第二十四回 お囃子の音をもとめて

先日の文化の日、どこからともなくお囃子の音が聞こえてきました。

そういえば、上仲町の山車蔵がお披露目だったなぁと思い出す。
事情がわかっていれば、音の出処はわかりますが、観光客の方は、「お囃子が聞こえるね」、半纏姿の人を見かけたら、「今日、お祭りだったのかな」、なんて話す方も。

ここでちょっと違和感。
あれ?!
みんなこの音がどこからしてるか気にならないの?
芸座の音がするところを探しにいかないの?
何かね、と話すだけで探す様子はなさそうだったのです。

そう、どこから聞こえるのか突き止めようとするのは、地元の人だけみたい…
そして、少しでも近くで聞こうと思うのも…

条件反射って、おもしろいですね。
誰に教わったわけでもないのに、血が騒ぐとはこのことで。

今度、笛や太鼓の音が聞こえてきたら、周りを見てみてください。
音の方へと歩く、地元の人々がいますから。
そして後をついていってみてください。そこには、芸座の音に耳を傾けるたくさんの人がいるでしょう。

えになるかとり かとりっぷ
第二十四回 お囃子の音をもとめて
文・写真 きのしたまみ
提供元 (株) NIPPONIA SAWARA