第九十一回 今日はパンの日

思い出の味ってありますよね。
子供の頃、お母さんがよく作ってくれたご飯だったり、あそこのお店のあのメニューだったり、外国で食べた珍しい味だったり。

誰しもいくつか持っている、思い出や懐かしの味。
みなさんはどんなものがありますか。

そんなみんなの共通の味のひとつに、香取市民のみなさんは、これが入っていませんか。

「モコパン」

県立佐原高校そばにお店がある、昔ながらのまちのパン屋さんです。
市内高校のお昼や市内道の駅でも買えますし、曜日ごとに車での移動販売もやっているのです。

モコの代名詞「クリームボーロ」は、ふわふわのパンの中に、クリームがたっぷり。
このクリームは自家製で、ミルク、チョコ、イチゴ、キャラメルと種類があります。
学生時代の青春の味の人もいれば、お祭りのおやつを思い出す人もいるでしょう。
やさしい甘さで、意外と何個も食べられてしまうのです。

そしてモコパンといえば、この人。
市内をところ狭しと駆け回り、明るい声でお客さんに元気を与えてくれる、名物おかみの「ちかちゃん」。
彼女に会いたいから、○曜日のモコパン号を心待ちにしている方もいます。

ちかちゃんのすごいところは、その記憶力。
お客さんの顔と名前はもちろん、好みや前回買ったものまで。
さらに、その日のオススメと焼きたての情報を小気味いい早口で教えてくれます。
誰にでもなつっこく話してくれて、町でバッタリ会っても、オーイと声をかけてくれます。

軽自動車に人だかりができてたら、覗いてみてくださいね。
たくさんのパンとともに、クリームボーロとちかちゃんが、元気よく迎えてくれますよ。

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第九十一回 今日はパンの日
文・写真 きのしたまみ
提供元(株)NIPPONIA SAWARA